東武50000系特集



今回は、今更ながら東武の新型形式、50000系のレポを行おうかと思います


50000系諸元

以下のような構造になっています。
構体オールアルミダブルスキン(FSW溶接)
定員先頭車:139名 中間車:153名 合計:1502名
最高速度120km/h
車体寸法長さ20m×幅2.8m×高さ4.08m
主幹制御器ワンハンドル方式
制御方式IGBT式VVVFインバータ制御
補助電源装置IGBT式SIV装置
ブレーキ方式全電気指令式ブレーキ装置
冷房装置集中式(マイコン制御式)
戸閉装置電気式ユニット戸閉機(マイコン制御式)


行先表示
3色LED方式を採用しています。

普通、池袋行きの表示

準急 池袋行きの表示

通勤急行 池袋行き表示
この表示と、号車数が交互に表示されます。

運転台

一部がかけていて申し訳ありません。
ワンハンドル方式で液晶モニタ装備。全体的にシンプルな構造になっています。
(撮影:50002F)

車内の様子

椅子の色は薄い青紫といった感じ。
ドア前は弱視の人でも認識し易いよう黄色。
床はグレーと、かなりシンプルなつくりになっている


次駅表示のLED表示
千鳥配置で一両に4台配置。
他にも、東武で初となる英語での自動放送にも対応している。

現在運用についている編成

50001F 2005年3月より運用開始
東上線には10月頃に来ていたが、東武東上線初のワンハンドルマスコンのため、長期にわたって訓練運転された。
主に準急、急行運用に就くが、運用の都合上たまに普通運用に入る


50002F 2005年10月より運用開始
平成19年開業予定の東京メトロ13号線乗り入れ用に前面貫通扉設置
それ以外は50001Fと同様の構造。
現在はCS-ATCは未搭載で東武線内のみの運用である。
ちなみに、現在本線系統に投入されている50050系はこの形式に幅を少し狭くしただけで構造は変わらない。
(幅が狭いのは半蔵門線の車体限界の関係)

個人的な感想
とりあえず今まで何度も乗車してきての概観、性能その他を含めての私見。
この電車は岡山の日立の工場で製造されたようだが、なかなか特徴的だと思う。
まず、VVVFインバータの音が結構特徴的だ。
発車直後と停止直前に発生する音が一段低くなっている点である。
これにより車体を確認できなくてもその音だけで50000系であることが容易に認識できる。
個人的にこの音は嫌いではない。
また、車内もかなり静かである。
乗り心地も結構よい。8000系に見られるカクカクした発進は感じられない
電動車に乗っていても今まで東上線最新形式だった9050系と比べても随分改善されている。
続いて、車内設備についてである。
窓は紫外線カットガラスが採用されている。
大型一枚窓となっているが、利便性を考えるとやはり遮光するものが欲しい。
座席の座りごこちであるが、やはり最新の車両は薄い。これに関しては8000系の方がいいと言える。
もうすこしふかふかした感じが個人的には欲しい(コレは最近の通勤電車全般に言える。)
LEDの千鳥配置はコスト削減の観点から見ても、納得できる。
しかし、少し小さい気がする。もう少し高さ、幅ともに広くしても良かったのではないかと思う。
個人的には小田急3000系、東急5000系系列みたいにLCDモニタを設置して欲しいのだが、これは高望みだろう…
最後にデザインについて
これはかなり斬新なデザインだと思う。
今まで電車のデザインといえばカラー帯だったのが、今回はアルミを生かした縦オレンジ帯になっている。
確かに斬新だと思うが、個人的には微妙である。
考え方に反対はない。しかし、全体的に縦のオレンジ帯を太くした方が良かったのではないかと思う。
前面デザインについては、西武20000系の色違いといったところ。
最近の流行である「標準車両」の一端だ。
ちなみに、有名な「標準車両」の系列は…
JRE231系を標準とした東急5000系系列、都営10-300形、相鉄10000系など
京成3000形を標準とした新京成線N800形、北総7500形など
日立が製造しているアルミダブルスキン:東武50000系系列、西武20000系、JRE257系など
このように私鉄、JR問わず標準車両が浸透しつつある。
コスト削減とはいえ、バリエーションがなくなるのも寂しい気がするが、これらの細かい差異を見つけていくのも一興なのではないかと思う。

総評すると、中の上と言った感じである。
次の世代の電車というものを提示するに遜色のない電車であると思う。
デザイン、設備面での課題は若干あるものの、さして問題にはならない。
東上線では現在2編成が運用されているが、あと5編成の増備計画があるとのこと。
今後も50000系を大いに利用していこうと思う


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